この記事では、楽天モバイルが2023年10月23日に獲得したプラチナバンドについて「そもそもプラチナバンドって何?」「いつから使えるの?」「楽天モバイルのエリアはどうなるの?」「電波が良くなるの?」「どのバンドなの?」といった疑問点について初心者にも分かりやすく簡単に解説します。
それでは以下の目次に沿って説明していきます!
プラチナバンドとは?
そもそもプラチナバンドって何?美味しいの?って方がほとんどかと思いますので。初心者でも分かりやすく解説していきましょう。
本題に入る前に予備知識から。
電波には周波数という数字で呼び分けられる様々な種類の電波が存在します。
ちなみに、電波の周波数の単位はHz(ヘルツ)と読みます。
Hz(ヘルツ)の前にM(メガ)とかG(ギガ)とか付いたりしますが、これは単位を補助する接頭語と呼ばれるもので、実は長さを表すセンチメートル(cm)のセンチ(c)やキロメートル(km)のキロ(k)の仲間です。
M(メガ)は1,000,000(百万)、G(ギガ)は1,000,000,000(十億)を表します。
そして、例えば大体700MHzぐらいの電波という意味合いで700MHz帯(たい)というような呼び方をします。
この「帯(たい)」をバンドとも呼びます。帯(おび)は英語でband(バンド)ですから、そのまんまです。
さて、本題に戻ります。
日本の携帯電話で使用している電波は、700MHz帯〜28GHz帯まで、いくつかのバンドに分けられて総務省の管理のもと使われています。
電波の特性として、周波数の数字が低いほど、遠くまで、障害物を透過して飛ぶという特性があります。
逆に周波数の数字が高いほど、電波の到達範囲は狭く、障害物を透過しないという特性になります。
プラチナバンドとは、おおよそ700MHz帯〜900MHz帯の周波数帯の電波のことを呼びます。
プラチナバンドの電波は、建物の中にも届きやすく扱いやすいため、docomoやKDDI(au)、SoftBankに既に割り当てられていて、希少価値が高いバンドのため、レアな金属であるプラチナの名前をとってプラチナバンドと呼ばれています。
ちなみに楽天モバイルが獲得したプラチナバンドは、700MHz帯のバンド28と呼ばれるバンドになります。
楽天モバイルのプラチナバンドはいつから始まる?
楽天モバイルは、プラチナバンドの取得を発表した2023年10月に、プラチナバンドの電波を発射する時期を2024年中と発表していました。
そして、楽天モバイルは2024年4月30日にプラチナバンドである700MHzの試験電波の発射を開始しました。
試験電波は商用電波としてユーザーが使用することはできませんが、2024年中にプラチナバンドの本格運用を開始するにあたり、様々なフィールド検証を行うために使用されます。
2024年6月27日追記
そして、きたるべき2024年6月27日。とうとう楽天モバイルのプラチナバンドが商用サービス開始となりました。
本記事でも、実際に楽天モバイルのプラチナバンドを確認次第、情報をアップデートしていきたいと思います。
楽天モバイルの電波やエリアは良くなる?
楽天モバイルは、プラチナバンド(700MHz帯:バンド28)を獲得するまで、1.7GHz帯(バンド:3)、3.7GHz帯(バンド:n77)、28GHz帯(n257)の3つのバンドを利用していました。
これに加えて、4つ目の回線としてパートナー回線であるKDDI(au)のプラチナバンドである800MHz帯(バンド:18,26)を2026年9月末まで使用することになっています。
楽天モバイル自身のプラチナバンドである700MHz帯(バンド28)の商用運用が開始されると、上記の4つのバンドに加えて5つ目のバンドが単純に追加されることになりますので、確実に電波とエリアは強化されることになります。
ただし、問題はパートナー回線のローミングが終了する2026年9月末以降になります。
パートナー回線エリア(au回線エリア)が終了するとどうなる?
パートナー回線のローミングが終了すると、KDDI(au)が育ててきた800MHz(バンド18,26)の電波が使えなくなりますので、このタイミングまでに楽天モバイル自身のプラチナバンドである700MHz帯(バンド28)のエリアをどれだけ整備できるかがカギとなるでしょう。
といってもです。実はKDDI(au)回線エリアである、パートナー回線エリアは、実は順次終了していっているのが現状です。
例えば、東京都では一部を除くエリアについては、2021年3月末にパートナー回線が終了し楽天エリアのみに切り替わっています。
このようなエリアでは、既にKDDI(au)回線のエリアが無いので、2026年9月末のパートナー回線のローミングが終了したとしても変化はありません。
つまり、既にKDDI(au)のパートナー回線エリアのローミングが終了している東京都などでは、今より電波環境が悪くなるというような心配は無いのです。
楽天モバイルのプラチナバンドはバンド28
楽天モバイルのプラチナバンドのバンドは、バンド28と呼ばれる700MHz帯のバンドになります。
なお、具体的な周波数は、上り(スマホ端末→基地局:アップロード)が715MHz〜718MHzの3MHz幅、下り(基地局→スマホ端末:ダウンロード)が770MHz〜773MHz幅の3MHz幅となります。
楽天モバイルのプラチナバンドは狭い?
上で説明しましたが、楽天モバイルのプラチナバンドの具体的な周波数は、上り(スマホ端末→基地局:アップロード)が715MHz〜718MHzの3MHz幅、下り(基地局→スマホ端末:ダウンロード)が770MHz〜773MHz幅の3MHz幅で合計6MHz幅となります。
これに対して、docomo、KDDI(au)、SoftBankは、それぞれ700MHz帯と800MHz帯の2つのプラチナバンドをもっています。
そして、3社はそれぞれ、700MHz帯が上り/下りで各10MHz幅ずつ、800MHzが上り/下りで15MHzずつの周波数を扱えます。
楽天モバイルが700MHz帯1つのプラチナバンドで合計6MHz幅しか割り当てられていないのに対して、docomo、KDDI(au)、SoftBankは、700MHz帯と800MHz帯で合わせて50MHz幅割り当てられています。
周波数幅が狭いと、どのような違いがあるかというと、高速道路に例えてお話しするとわかりやすいかもしれません。
例えば、docomo、KDDI(au)、SoftBankが、片側25車線、上り下り合わせて50車線の高速道路を持っているのに対して、楽天モバイルは片側3車線、上り下り合わせて6車線の高速道路を持っている状況を想像してみてください。
当然車線数の少ない楽天モバイルの高速道路の方が渋滞が発生しやすくなります。
つまり多くのユーザーが同時にスマホを利用したとき、一人当たりの通信速度が遅くなるというようなデメリットが考えられます。
このあたりは、今後追加の周波数帯が割り当てられることなど、救済を期待したいところです。
対応機種は?iPhoneは対応する?
楽天モバイルのプラチナバンド(バンド28)に対応するスマホの調べ方を解説します。
といっても確認方法は簡単で、各スマホの仕様ページで「対応周波数」を確認して、バンド28が使用できることが記載されていればOKです。
楽天モバイルの公式ページに、楽天モバイル取り扱いスマホの対応周波数が記載されていますので、こちらで確認してみてください。
まとめ
それでは最後に、楽天モバイルのプラチナバンドについて、この記事で解説してきた内容をまとめておきます。
- プラチナバンドは約700MHz〜900MHZの周波数帯の電波を指す。
- プラチナバンドの電波は障害物による減衰が少なく到達範囲が広い。
- 楽天モバイルのプラチナバンドはバンド28。
- 楽天モバイルのプラチナバンドは2024年6月27日商用サービス開始。
- プラチナバンドによりエリア品質は改善される見込み。
- 楽天モバイルのプラチナバンドは上り/下り合わせて6MHz幅。
楽天モバイルの料金プランについては、別記事で詳しくまとめていますので、興味のある方はこちらも参考にしてみてください。
以上で、楽天モバイルのプラチナバンドに関する解説は終わりです。
ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。