iPhoneにはフィールドテストモードという機能があることをご存知でしょうか?
隠しコマンドや秘密コード、裏コードなどと呼ばれる方もいますが、フィールドテストモードは、iPhoneが通信を行う基地局の情報や電波強度や電波品質といった通信の状況を数値化して確認することができます。
やり方は簡単で電話アプリを開いて「*3001#12345#*」を入力して発信ボタンを押すだけです。
※通話はしないので通話料はかかりません。
iPhoneのフィールドテストモードでは各項目の詳しい説明がなく、単純に英字の項目とパラメータの数値が表示されるだけなので、この記事では、iPhoneのフィールドテストモードで確認できる各項目の意味について詳しく解説していきます。
フィールドテストモードを確認するときの参考にしてみてください!
※この記事は最新のiOS17の内容を説明しています。
※iOSがアップデートされたら随時更新していきます。
iPhoneフィールドテストモードのやり方
iPhoneフィールドテストモードのやり方は、とっても簡単です。
既に冒頭で簡単に触れましたが、改めてフィールドテストモードのやり方を説明します。
電話アプリを開いて以下の番号を入力し、発信ボタンをタップするだけです。
秘密のコマンド「*#3001#12345#*」
iPhoneのフィールドテストモードのやり方は、とても簡単です。
電話アプリを起動して「*3001#12345#*」を入力して発信するだけです。

トップメニュー
フィールドテストモードを開くとトップメニューが表示されます。
トップメニューでは大きく5つの大項目が確認できます。
項番 | 項目名 | 説明 |
---|---|---|
① | SIMの選択 | 複数SIMを使用している場合は、ここでSIMを選択します。 |
② | RAT | 現在の無線接続の基本的な状況を確認することができます。 |
③ | 5G | 5G接続の詳細な情報を確認することができます。 |
④ | LTE | LTE(4G)接続の詳細な情報を確認することができます。 |
⑤ | MISC | その他雑多な状況を確認することができます。 |
RAT(Radio Access Technology)
RATの項目について説明していきます。
RATは「Radio Access Technology」を意味し、無線アクセス技術の情報を確認することができます。
RATの項目は「Serving Cell Info」1つだけでとてもシンプルです。
「Serving Cell Info」では、iPhoneが通信している基地局セルの基本的な情報を確認することができます。
基地局の情報を確認したい場合は、この「Serving Cell Info」を確認しましょう。
Serving Cell Info
RATの「Serving Cell Info」で確認できる各項目で確認できることを一覧にまとめます。
項目名 | 正式名(正称) | 説明 |
---|---|---|
PLMN | Public Land Mobile Network | ・PLMNは、通信キャリアの識別子を意味します。 ・440 10 のように前半3桁、後半2桁の数字で記載されます。 ・前半3桁の440はMCC(Mobile Country Code)=国番号を表します。 ・日本のMCCは440と441の2つが割り当てられています。 ・後半2桁はMNC(Mobile Network Code)=事業者コード(通信キャリアの番号)を表します。 ※日本で使用されている主なPLMNは別表を参照。 |
Band Info | ー | 周波数バンドを意味します。 ※日本で使用されている主な周波数バンドは別表を参照。 |
Bandwidth | ー | 周波数幅を意味します。 |
CellID | ー | 基地局セルのIDを意味します。 |
Radio Access | ー | 無線アクセスの規格が表示されます。 |
DeploymentType | ー | 5G運用方式が分かります。 ・LTE → 4G設備の運用方式 ・5G NSA → 5Gノンスタンドアローン(4G設備+5G設備の運用方式) ・5G SA → 5Gスタンドアローン(5G設備のみの運用方式) |
PCI | Physical Cell ID | 物理的なセルIDを意味します。 Cell IDは一意(ユニーク)なIDですが、PCIは504通りの数字であり、 別の場所で同じ番号が使用されることがあります。 |
TAC | Tracking Area Code | トラッキングエリアのコードを意味します。 トラッキングエリアは接続している基地局が収容されるエリアを意味します。 |
EARFCN DL | E-UTRAN Absolute Radio Frequency Channel Number Down Link | LTE絶対無線周波数チャネル番号(ダウンリンク)を意味します。 ※ダウンリンクは基地局→端末方向の通信路を指します。 周波数をチャネル番号で表した値です。 |
(参考)日本で使用される主なPLMNの一覧
PLMN | 通信キャリア名 | 備考 |
---|---|---|
440 10 | NTTドコモ | ー |
440 50 440 51 440 52 440 53 440 54 | KDDI | ー |
440 00 440 20 | ソフトバンク | 440 00 → ワイモバイル(LTE 1800MHz) |
440 11 | 楽天モバイル | ー |
441 00 | WCP | ー |
(参考)日本で使用される周波数バンド一覧(4G)
周波数バンド | 周波数帯 | docomo | au | SoftBank | 楽天モバイル |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2.1GHz帯 | UL:1940〜1960MHz DL:2130〜2150MHz | UL:1920〜1940MHz DL:2110〜2130MHz | UL:1960〜1980MHz DL:2150〜2170MHz | ー |
3 | 1800MHz帯 | UL:1765〜1785MHz DL:1860〜1880MHz | UL:1710〜1730MHz DL:1805〜1825MHz | UL:1750〜1765MHz DL:1845〜1860MHz | UL①:1730〜1750MHz DL①:1825〜1845MHz UL②:1765〜1785MHz DL②:1860〜1880MHz |
8 | 900MHZ帯 | ー | ー | UL:900〜915MHz DL:945〜960MHz | ー |
11 | 1.5GHz帯 | ー | UL:1437.9〜1447.9MHz DL:1485.9〜1495.9MHz | UL:1427.9〜1437.9MHz DL:1475.9〜1485.9MHz | ー |
18 | 800MHz帯 | ー | UL:815〜830MHz DL:860〜875MHz | ー | ー |
19 | 800MHz帯 | UL:830〜845MHz DL:875〜890MHz | ー | ー | ー |
21 | 1.5GHz帯 | UL:1447.9〜1462.9MHz DL:1495.9〜1510.9MHz | ー | ー | ー |
26 | 800MHz帯 | UL:814〜849MHz DL:859〜894MHz | UL:814〜849MHz DL:859〜894MHz | ー | ー |
28 | 700MHz帯 | UL:728〜738MHz DL:783〜793MHz | UL:718〜728MHz DL:773〜783MHz | UL:738〜748MHz DL:793〜803MHz | UL:715〜718MHz DL:770〜773MHz |
41 | 2.5GHz帯 | ー | UL&DL:2595〜2645MHz | UL&DL:2545〜2575MHz | ー |
42 | 3.5GHz帯 | UL&DL:3440〜3520MHz | UL&DL:3520〜3560MHz | UL&DL①:3400〜3440MHz UL&DL②:3560〜3600MHz | ー |
周波数バンドについては、別の記事詳しく解説していますので、気になる方はこちらの記事も参考にしてみてください。
5G(5th Generation)
続いて「5G」の項目について解説します。
「5G」の項目からは「Nr 〜〜〜」という項目が複数確認できます。
ちなみに「Nr」は「New Radio」の略で、新しい無線(=5G無線)のことを意味します。
5Gの項目は、SIMによって表示されるメニューが異なるようなのですが、理由などについてはよく分かっていません。
どのような条件でどのような項目が表示されるのかご存知な方がいましたら、情報提供いただけると助かります。
また、5Gの各項目については詳細な内容も不明のため項目名のみ記載します。
項目名からその内容を読み解くのは至難の業ですが、参考として単語の意味を補足します。
- band → 周波数バンド
- bw → bandwidth(周波数の帯域幅)
- ant → antenna(アンテナ)
- ue → user equipment(端末=iPhone)
- dl → downlink(基地局→iPhoneの通信方向)
- ul → uplink(iPhone→基地局の通信方向)
- rx → receiver(受信)
- tx → transmitter(送信)
- max → maximum(最大値)
- mimo → MIMO(複数アンテナで通信の質を向上する技術)
- rlc → radio link control(レイヤ2無線プロトコル)
- rohc → robust header compression(ヘッダ圧縮技術)
- ciphering → 暗号化
- mcg → master cell group
- scg → secoundary cell group
Nr ConnectionStats
5G接続の基本的な統計情報です。
- aggregated_dl_bw(DLのキャリアアグリゲーション周波数帯域幅)
- band(周波数バンド)
- connection_type(5G運用方式)
- dl_bw_class
- max_rx_ant
- max_schd_mimo_lyr
- max_ue_rank
- max_ul_mod(アップリンクの変調方式)
- Nr mimo layers
- nr5g_total_num_ccs
- num_subs
- nw_mimo_cap
- ps_pref
- subs_id
- ue_mimo_cap
- ul_bw_class
Nr EndcUsageStats
「ENDC」は「E-UTRAN New Radio Dual Connectivity」の略で、E-UTRAN(4G)とNew Radio(5G)の両方の接続方式、EndcUsageStatsは、つまり4Gと5G同時接続方式の使用状況統計です。
- deployment
- dl_ciphering_enabled
- dl_integrity_enabled
- dl_rlc_path
- dl_rohc_enabled
- drb_id
- mcg_duration
- mcg_tput
- num_subs
- ps_pref
- release_tech
- scg_duration
- scg_tput
- subs_id
- ul_ciphering_enabled
- ul_integrity_enabled
- ul_more_than_one_rlc_present
- ul_rlc_path
- ul_rohc_enabled
Nr Ota Msg
OTAとは、Over The Airの頭文字で、無線によりデータの送受信を行う技術です。
- channel
- deployment
- freq
- length
- lte_gci
- msg_type
- num_subs
- ps_pref
- rb_id
- subs_id
Nr Rach Attempt
「Rach」は「Random Access Channel」を意味し、アップリンクの共通チャネルのうち、制御情報とユーザーデータの送信に使用するチャネルを意味します。
- accb_state
- antenna_panel_index
- carrier_id
- cell_id(基地局セルのID)
- cell_pci(基地局セルのPCI)
- cell_rsrp(基地局電波の受信電力強度)
- cell_rsrq(基地局電波の受信電力品質)
- csi_rs_id
- dc_mode
- freq_band_ind(周波数バンド)
- freq_range
- last_tx_power
- num_attempt
- num_detected_tx_beams
- num_subs
- ps_pref
- rach_contention
- rach_reason
- rach_result
- ssd_id
- ssb_index
- subs_id
- tac(tracking area code)
- tx_power_diff
Nr SDMActivation
- ap_nr_recomm
- ap_nr_recomm_conf_factor
- duration_in_prev_state
- fr1_meas_disabled
- fr2_meas_disabled
- subs_id
- trigger_cause
Nr Scg Addition
「SCG」は「Secoundary Cell Group」の略です。
- freq_band_ind(周波数バンド)
- freq_range
- is_srb3_configured
- num_subs
- ps_pref
- result
- subs_id
Nr Scg Removal
- band_id
- duration
- is_due_to_sdm
- num_beam_failure
- num_beam_recovery
- num_subs
- ps_pref
- reason
- result
- rx_beam_switch
- subs_id
- tx_beam_switch
Nr UIPdcpStats
- num_discard_pdu
- num_subs
- num_successful_pdu
- ps_pref
- rb_id
- rb_mode
- rb_path_type
- subs_id
LTE
続いて「LTE」の項目について解説します。
Cell By Band
項目名 | 説明 |
---|---|
band | 周波数バンドの番号を意味します。 |
dl_bw | ダウンリンクの周波数帯域幅を意味します。 |
dl_freq | ダウンリンクの周波数を意味します。 ※EARFCN表記 |
state | 不明(何かの状態を意味すると思われる) |
ul_state | 不明(ULの状態を意味すると思われる) |
ConnectionStats
- aggregated_dl_bw(DLのキャリアアグリゲーション周波数帯域幅)
- band(周波数バンド)
- cause
- conn_duration
- dl_bw_class
- lte_total_dl_mimo_layers
- lte_total_num_ccs
- max_dl_mod(DLの変調方式)
- max_nw_mimo_lyr
- max_rx_ant
- max_schd_mimo_lyr
- max_ue_rank
- max_ul_mod
- Nr mimo layers
- mrdc_lte_total_dl_mimo_layers
- mrdc_lte_total_num_ccs
- mrdc_nr_total_num_ccs
- num_band_components
- num_subs
- nw_mimo_cap
- ps_pref
- subs_id
- ue_mimo_cap
- ul_bw_class
Rach Attempt
- accb_state
- cell_id(基地局セルID)
- contention_based
- EARFCN UL
- num_subs
- p_max
- rach_result
- retx_counter
- rsrp(基地局電波の受信電力強度)
- scell_index
- subs_id
- tac(tracking area code)
- tx_power_limited
RsrpRsrqSinr
「RsrpRsrqSinr」では、基地局からの電波の受信電力強度や受信電力品質を確認することができます。
項目名 | 説明 |
---|---|
CellID | 基地局セルIDを意味します。 |
rsrp | Reference Signal Received Power (基準信号受信電力) 基地局電波の受信強度を意味します。 単位は[dBm」です。 ※この項目がスマホに表示される アンテナ何本かという電波強度を 数値化したものになります。 |
rsrq | Reference Signal Received Quality (基準信号受信品質) 基地局電波の受信品質を意味します。 単位は[dB」です。 |
sinr0 | Signal to Interference plus Noise Ratio (信号対干渉波雑音比) メインの基地局電波の受信強度とそれ以外のノイズの比を意味します。 単位は[dB」です。 |
sinr1 | 同上 |
num_subs | 不明(number of subscribers?) |
suns_id | 不明(subscriber id?) |
Serving Cell Info
- cell_id
- dl_freq
- freq_band_ind
- num_mnc_digits
- num_subs
- PCI
- camped lte band
- ps_pref
- sel_plmn_mcc
- sel_plmn_mnc
- subs_id
- tracking_area_code
- ul_freq
MISC
Cellular RatRetention
- cell_id
- dyn_nr5g_enabling
- elapsed_ms
- lac
- num_subs
- ps_pref
- roam_status
- scg_ever_configured
- srv_domain
- srv_status
- standby_pref
- subs_id
- sys_mode
- ui_nr5g_switch
- upper_layer_indication
- version
Cellular Service Status
- num_subs
- ps_pref
- roam_status
- srv_domain
- srv_status
- subs_id
- sys_mode
フィールドテストモードおすすめの使い方
iPhoneのフィールドテストモードでは、お気に入りの項目にフラグを付けて、ダッシュボードからフラグを付けた項目だけに絞って情報を確認することができます。



確認したい項目は、セルの情報と、電波の受信強度や受信品質が主になると思いますので、以下の項目にフラグを付けておくのがオススメです。
RAT Serving Cell Infoのフラグおすすめ項目
- PLMN
- Band Info
- Bandwidth
- CellID
- PCI
- TAC
LTE RsrpRspqSinrのフラグおすすめ項目
- rsrp
- rsrp
以上です。
今、自分のiPhoneがどの周波数バンドを利用していて、どのくらいの電波強度や電波品質なのかを確認する方法としてフィールドテストモードは手っ取り早く確認することができます。
コマンドも*3001#12345#*と以外に単純で覚えやすいので、ふとした時に確認してみてください。