ハイセンスのテレビには、東芝レグザと共同開発した映像エンジンが搭載されていることが、他にはない独自の強みになっています。
当然、基本的には世代を追うごとに映像エンジンの性能が進化してきていますが、具体的にどのような機能が進化しているのか、世代ごとに整理してまとめてみました。
旧世代からの進化点や、同世代間の性能差などを調べたい方のために、こちらの記事でハイセンステレビの映像エンジンについてまとめています。
どの映像エンジンを搭載したモデル購入するか検討の助けになれれば幸いです。
HI-VIEWエンジンからHI-VIEWエンジンⅡへ
2024年モデルのU7N/U8N/U9Nシリーズなどに搭載された「HI-VIEWエンジンⅡ」はTVS社(※)と共同開発された映像エンジンで、地デジやネット動画、ゲームなどの映像をAIが自動的に最適な画質へ調整する映像エンジンです。HI-VIEWエンジンから継続となる美肌リアリティーProの他、次に紹介する各種機能の追加やパワーアップが施されています。
※TSV社:TVS REGZA株式会社で東芝REGZAの映像機器を扱うハイセンス社の子会社です。
HI-VIEWエンジンとHI-VIEWエンジンⅡの違い
2023年モデルに搭載されたHI-VIEWエンジンからは、基本的な処理性能が強化された他、ネット動画特有のノイズを抑制することと併せて高画質処理を行うバインディングノイズ制御や、スポーツなどの動きの速い映像を高フレームレートに補間するクリアモーションPro、画面のブレが大きいときにブレを低減させるフレームジャダー低減、部屋の明るさを検知して自動的に画質を調整する環境光センサーをパワーアップさせたおまかセンサーProなど、映像を美しくダイナミックに表現する特別な機能が満載されています。
HI-VIEWエンジンLite、HI-VIEWエンジンX
2023年モデルのA6Kシリーズなどに搭載された「HI-VIEWエンジンLite」とハイエンドのUXシリーズに搭載された「HI-VIEWエンジンX」についてまとめていきます。
HI-VIEWエンジンとHI-VIEWエンジンLiteの違い
HI-VIEWエンジンLiteは、HI-VIEWエンジンと同様、AI処理によりネット動画の内容似合わせて自動的に最適な画像処理を行うAIネット映像高画質処理はそのままに、HI-VIEWエンジンでは搭載されていなかった画面のブレを低減させるフレームジャダー低減の新機能が搭載されています。
HI-VIEWエンジンとHI-VIEWエンジンXの違い
HI-VIEWエンジンXでは、まずベースとなるエンジンの性能が従来の12bit(4096階調)から16bit(65536階調)にパワーアップされています。
これによりヒトが肉眼で見ているリアルな世界をAI技術と超解像の映像処理技術で再現することに挑戦しています。
従来の環境光センサーはそのままに、ヒトが肉眼で見るリアルな映像を再現するために、AIが背景と被写体を認識し背景がボケるような奥行きと立体感のある映像に処理するAIナチュラルリアリティーや、美肌リアリティーProを進化させ照明などにより不自然に明るくなる肌質を自然な色合いに自動調整し美肌をより引き出す美肌リアリティーアドバンスト、AIによるネット動画の高画質処理とノイズ処理を両立したAIネット映像高画質処理アドバンスト、放送映像のAIノイズ処理もパワーアップしたAI放送映像高画質処理アドバンストなど、あらゆる特性がXレベルに強化されています。
NEOエンジンProからHI-VIEWエンジンへ
2023年モデルのU8Kシリーズなどに搭載された「HI-VIEWエンジン」はTVS社と共同開発された映像エンジンです。
AIによる映像の高画質処理ということで、ネット配信動画などのコンテンツをAIが分析して色合いや輝度、ガンマ補正などを調整しダイナミックで奥行きのある色彩表現を実現するAIネット映像高画質処理や、放送映像のノイズもAIが高画質処理を行うことで低減させます。
また、AIが映像のシーンを識別してシーンに合った映像処理を行うことでノイズを低減させるAIシーン別超解像処理や、部屋の明るさをセンサーが自動認識して適切な画質に調整してくれる環境光センサー、同じく部屋の明るさを検知してHDR画質処理を行いDolby Visionの最適な画質に調整するDolby Vision IQや、映像の人の肌を認識して美しい肌の質感を再現する美肌リアリティーProといった機能が特徴です。
NEOエンジンからNEOエンジンProへ
2022年モデルのU9Hシリーズなどに搭載されるNEOエンジンProでは、その後のHI-VIEWエンジンへ受け継がれる基本的なエンジン技術の土台がしっかりと固められました。
NEOエンジンProでは、次の技術が採用されています。
まずは高画質処理に関するハイセンス独自の5つのAI処理です。
AIがネット動画の映像を自動的に識別し適切な映像表現に調整してくれるAIネット映像高画質処理、AIが放送映像のノイズを処理しつつ高画質処理を行うAI放送映像高画質処理、AIが映像のシーンを識別してシーンに適した超解像処理とノイズ処理を行うAIシーン別超解像処理、AIが速い映像の動きを判別してノイズを抑えた超解像処理を行うAIモーション別超解像処理、部屋の明るさを検知して自動で最適な画質に調整するAIオート画質調整。
続いて、独自の処理で実際の映像をより美しく昇華させる5つの処理です。
映像のノイズを低減する高精細ノイズ処理、映像の中で白すぎたり黒すぎたりする部分を適切な色階調で自然に表現するエリア別適正露出復元、人の肌の質感を美しく自然な色彩で調整する美肌リアリティーPro、水平4/3倍伸長→水平2倍伸長→垂直2倍伸長により地デジ映像などを4K画質相当に引き上げる3段階超解像処理、HDR映像をリアリティのある自然な色彩に調整して再現するHDR再現処理plus。
光センサーにより部屋の明るさを検知しでHDR画質処理を行うDolby Vision IQ、6144項目のデータベースから高精度な色空間変換を行い自然界に近い色合いを再現する64色軸色彩コントロール、HDMI入力信号から映像の種類を判別し適切な画質に調整するHDMI入力自動画質調整、彩度や輝度からコントラストを調整して色による質感豊かな映像を再現するテクスチャー復元。
いずれも、その後のHI-VIEWエンジンへ受け継がれる沢山の技術の基礎が盛り込まれています。
Hisenseテレビのレビュー記事
Hisenseテレビのレビュー記事は、別の記事で解説しています。
直近で発売されたHisenseテレビ(大画面モデル)について、商品情報やスペック、購入時の注意点などをまとめていますので、Hisenseテレビの購入を検討している方は、是非こちらの記事も参考にしてみてください!
さらにこちらの記事では、Hisenseテレビを購入して後悔したことついて、まとめています。
付録.Hisenseテレビの映像エンジン年表
こちらはおまけです。
ハイセンステレビの映像エンジンの進化の歴史を年表にしてみました。
併せて各エンジンを搭載した代表的な製品シリーズも列記していますので、商品選びの参考にしてみてください。
搭載モデル発売時期 | 映像エンジン | 搭載製品例 |
---|---|---|
2018年 | レグザエンジンNEO | 6800シリーズなど |
2019年 | レグザエンジンNEO plus | U7Eシリーズなど |
2020年 | NEOエンジン plus 2020 | U8Fシリーズなど |
2021年 | NEOエンジン2021 | U7FGシリーズなど |
2021年 | NEOエンジンLite | E6Gシリーズ |
2022年 | NEOエンジンPro | E7H/U7H/U9Hシリーズ |
2023年 | HI-VIEWエンジンLite | A6K/E6Kシリーズ |
2023年 | HI-VIEWエンジン | U8K/E6Nシリーズ |
2023年 | HI-VIEWエンジンX | UXシリーズ |
2024年 | HI-VIEWエンジンⅡ | E7N/U7N/U8N/U9Nシリーズ |
まとめ
今回の記事ではハイセンステレビの主に大画面モデルで搭載される映像エンジンについて、各世代で採用される様々な技術について解説しました。
基本的には、前世代の技術がより洗練された形で進化し、新しい映像エンジンに受け継がれています。
年に2種類以上のエンジンが発表される年もあり、めまぐるしいスピードで技術の進化を確認することができます。
新しいエンジンが発表されたら随時、情報を追記していきますので、是非、新製品購入の検討にしてもらえたらと思います。
それではまた、お会いしましょう!