みなさんはGaNという単語をご存知でしょうか?
PCやスマホの充電器として名だたるAnkerやCIO、UGREENなどの超有名サードパーティがこぞって採用するGaNの正体は、高電圧・大電流に耐えられるパワー半導体と呼ばれる充電器に適した半導体です。
今回は「そもそもGaNってなんなの?」から「なぜ充電器に適しているのか?」「半導体の代名詞でもあるシリコンとの違いは?」「GaNプライムってなんなの?」といった様々な疑問に対して、初心者にもわかりやすく解説していきます。
GaNとは?読み方は?
GaNとは「Ga(ガリウム)」と「N(窒素)」の化合物のことを指します。
GaNは「窒化ガリウム」とか「Gallium Nitride(ガリウムナイトライド)」「ガン」と読んだりします。
GaNは、高い電圧と大きな電流に耐えられる半導体で一般的にパワー半導体と呼ばれています。
シリコンとの違いは?
従来、半導体にはシリコンが多く用いられてきましたが、電気抵抗が高い特性のためエネルギー効率の問題で充電器に使用する半導体として限界に近づいていました。
そこで高電圧と大電流に耐えられるパワー半導体であるGaNが着目されました。
GaNはシリコンと比較して電力損失が少なくエネルギー効率の高い半導体を作ることができます。
なぜ充電器に適しているのか?
それでは続けて、シリコンよりもエネルギー効率の高いパワー半導体であるGaNがなぜ充電器に適しているのかを解説していきます。その結果発熱が抑えられ充電器などの製品の小型化が実現しました。
GaNが充電器に適している原理
前述のようにGaNは、高い電圧と大きな電流に耐えることができるパワー半導体です。
より高電圧、より大電流に耐えられるということは、それだけ扱える電力も大きくなり短時間で充電が可能な設計が可能になります。
GaNは、よりパワフル&より効率的に充電できるため充電器に適しているのです。
GaNの発熱
GaNは、エネルギー効率が高く電力損失が少ないため発熱も抑えられます。
ちなみに電力が損失される場合、損失されたエネルギーは熱に変換されることがほとんどです。
つまり電力損失が少ないということは、その分発熱も少ないということを意味します。
小型化できる充電器向けのパワー半導体
「高電圧&大電流が扱える(=短時間で充電できる)」「発熱が抑えられる(=排熱機構を小型化できる)」これがGaNを充電器に採用したときに真価を発揮する主なポイントになります。
エネルギー効率が高く短時間で十分な充電ができる他、発熱が抑えられるため大掛かりな排熱機構がいらなくなり、その結果、製品のサイズを小さく設計することができます。
GaNPrime™とは?
GaNPrime™とは、Anker独自の充電技術で、GaNの特徴を活かしてより効果的に充電器二応用するために2つの大きな特徴を追求して完成しました。
1つ目は、Anker独自の回路設計により100W以上の高出力に対応させた独自の構造です。
2つ目は、複数ポートで最適な給電を実現するために、各ポートに必要な電力をリアルタイムで監視する技術です。
この2つの技術により、高出力を複数ポートに効率的に給電することが可能になりました。
これがAnker独自のGaNPrimeです。
GaNを採用したオススメ製品
GaNを採用した充電器は、各社が発売しているので、ここでオススメの製品をいくつかご紹介します。
AnkerのGaN充電器
Anekrからは厳選した3つのGaN対応充電器を紹介します。
まずはコンパクトだけど十分な性能を兼ね備えているAnker Nano Ⅱ(45W)です。
USB Type-Cポート×1で最大45Wで充電できるため、PCにもスマホにもコレ一つで万能に充電することができます。
次にAnker PrimeシリーズのWall Chargerで100WモデルのAnekr Prime Wall Charger(100W, 3ports, GaN)です。
定番のコンセント直挿しタイプの充電器でUSB Type-Cポート×2、USB Type-Aポート×1での合計3ポートを搭載し、同時に100Wまで給電できる万能タイプの充電器になります。
続いて、より構成の名モデルのAnker 747 Chargerです。こちらは、USB Type-Cポート×3、USB Type-Aポート×1での合計4ポートを搭載して同時に150W充電可能な、よりハイスペックな充電器になります。
CIOのGaN充電器
CIOからは汎用性の高い3ポート、65Wの充電器を2つ紹介します。
1つ目は、USB Type-C×2ポート、USB Type-A×1ポートでトータル65Wの出力が可能な「CIO NovaPort TRIO Ⅱ 65W(2C1A)」です。
もう1つは、USB Type-C×3ポートで合計65W出力の「CIO NovaPort TRIO Ⅱ 65W(3C)」です。
同じ2ポートでも「USB Type-C×2ポート+USB Type-A×1ポート」か「USB Type-C×3ポート」を選べるのは嬉しいですね。
それぞれので使い方にあったモデルを選ぶとよいでしょう。
UGREENのGaN充電器
UGREENからも、使い勝手の良い3つのGaN対応充電器をご紹介します。
1つ目は、USB Type-C×1ポート、USB Type-A×1ポートの合計2ポートを搭載して35W充電が可能な「Nexode mini 35W」です。お手軽なモデルでUSB Type-CのUSB Type-Aも1台で仕様できるのは汎用性が高くてオススメです。
続いて、USB Type-C×2ポートとUSB Type-A×1ポートを搭載して合計100Wの出力で充電できる「Nexode Pro 100W」です。Anker Prime Wall Charger(100W)とほぼ同じスペックですが、少しだけリーズナブルな価格設定になっています。
最後は、USB Type-C×3ポート、USB Type-A×1ポートの合計4ポート搭載で、最大100W充電が可能な「Nexode 100W」です。
まとめ
それでは最後にこの記事で紹介した内容をまとめます。
- GaNとは窒化ガリウムを意味する
- GaNは充電器に適したパワー半導体の一つ
- 高電圧&大電流に耐えエネルギー効率が高い
- 発熱が抑えられ小型化が可能
- GaNPrimeはAnker独自の充電技術
- GaNPrimeは100W以上の出力+複数ポート
- GaN対応充電器は各社が発売している
以上で、GaNについての解説記事を終了します。